和尚のつぶやき

沖縄のお墓

沖縄のお墓

 ホームページで沖縄 墓を調べたら、いっぱい出てきました。破風型と亀甲型があると書きましが、他にもあるようです。沖縄で最もポピュラーと思われる亀甲型の墓の形に面白い意味が有るのですね。
この墓の形は、名の通り屋根の部分の亀甲形からきているのでしょうが、実は、その形は妊婦さんの孕んでいるお腹の形状で扉は産道の出口、今まさに産まんとする形だそうです。命の終わりの終着点は新しい命の誕生を希望する出発点でもあるのです。人は,母の胎内から生まれ,死ぬとまた帰ってゆく, という「母体回帰」思想からくるもので、 全体の形は, 亀の甲というよりも子宮のイメージの方が強く感じられます 。命の連続性、生死不二の思想と現実化の象徴としての墓は、命をポッキリ折って埋葬する本土のあまり意味を持たないお墓より、ズーンと深い仏教の生死の具現化のように思われました。今でも、沖縄びとはお墓の前で家族親類縁者が集まって食事をしてご先祖の供養というよりも、生死の一体感を楽しみます。
沖縄は江戸時代のキリスト教迫害の為の産物、寺請け制度、檀家制度と言った歪んだ制度によってねじ曲がって定着してしまった仏教とは無縁場所でもあったのです。そんな訳で仏教の教えと現実との距離は本土のそれよりも近いように感じます。

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