和尚のつぶやき

春は花

困ちゃうな~。春の雪
春に百花あり、秋につきあり、夏に涼風あり、冬に月あり。
もし閑事(かんじ)の心頭のかくる無くんば、すなわち是好時節。
春に花あり、秋に月あり、夏に涼風あり、冬に行きあり。
つまらぬ事に心をかけなければ、これがこの世の極楽だ。
禅宗四部録の無門関ににあります。「平常心是道(びょうじょうしんこれどう)」に通じることばです。
寒い冬になれば夏がいいと思い、暑いなつが来ればふゆの方がいいと思う人間の浅ましさ。
その場所、その時になりきるのが好時節のいうのでしょうか。
簡単なようでも難しいものです。つねに修行は必要です。
「死ぬまで修行だ。」と、よくいわれました。「そうは言ってもね」というのが俗人。
「そうそう、その通りと励むのが、修行の人。
私は葬儀の時、引導法語にこの語をよく使います。そして、結語には「不思議三昧」で納めるのが
最近の常套です。
引導法語でもこの句を唱えるとなれば、死んでもなお修行中ということになります。
生きていることも、死んでからも、なかなか、油断のならないものです。

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