霧に覆われた嫌な出だしであったが、やがて太陽がやって来て、ポルトマリンについた頃はすっかりと晴れ上がり、今度は、暑いぞ暑いぞと厄介なことである。遂に100キロを切って、このまま順調にいくのでしょう。数日前から同行のコリアン、スーザンも調子を取り戻してサンチャゴまで一緒に行くつもりらしい。何の因果か、スペインの巡礼旅も3回目となり、相性が良いのかなとも思っています。面白いことの一つに、同人種確認作業がある。アジア人とヨーロッパ人種を混同する事などはないが、アジア人同士、ヨーロッパ人同士、ラテン系人同士は分かりそうでいて分かりにくい。日本人とコリアンそして中国人、何人も何人も出たり入ったり行き交っているとよく分からなくなる、リオンの街角で、出くわした日本人同士が、顔と顔とを突きあわせながら、「Japon?」「Japon?」数秒の確認後、日本人同士と分かって馬鹿みたいに抱きあっておりました。昨日のアルベルゲの食事の時、暫くの後お互いドイツ人であることを確認していました。つい1時間前も、宿を探してやって来た日本人と思われるご婦人が、英語で話かけるので、英語で応える会話のうち、日本人ではないかしらと思って 日本語で話すと、日本語で応えるという、漫画のような世界である。あらゆる言語が飛び交う場所ではあるが基本的には英語とスペイン語の世界である。私は、英語とスペイン語を少しずつ話せるが、この巡礼は、沈黙の旅であるという隠れ蓑を使って、あんまり他人と話さない。実は、話せない。