和尚のつぶやき

献笛の喜び

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レオン の大聖堂は開門時、沢山の観光客で一杯です。五年前はお御堂 に入るチャンスがなくて、聖堂広場で大道芸人宜しく吹いたことでした。お御堂の荘厳煌びやかなステンドグラス の中でじっと佇んでいると献笛の思い止み難く、係員 にその旨を伝えると、事務局までの相談となり、トップ の了解を漕ぎ付ける騒ぎとなった。えらい事になったと、今度は我が技術も顧みずという思いにかられて、腰砕けになりかけた時、OKサインが出ました。
係り員 の丁重 なる案内で演奏場所まで指定賜り、 なんと。数多いる観光客にまで、「今から 日本の笛を吹きます」と相成りました。もう腹を据えるしかありません。
教会 の圧倒的響きに助けられ、我が篠笛は程良く鳴り響きました。笛の音は諸聖人も歓喜されたことでしょう。不意打ちの観光客も東洋の繊細且つシンプルで不思議な音色を喜ばれました。
カテドラル大聖堂からホテルへの帰路、思わず、ふふっ と、一人含み笑でした。
サン、ジャン、ピエード、ポー出発から五百キロ、村の教会や野で随分と吹きました。
出会う巡礼者から、笛の仕草で挨拶をされることが多くなり、疑うことなく、巡礼の喜びの一つとなりました。

この夜は、パイプオルガンの演奏会のあることを知って、夕食もそこそこに、又々、カテドラルに行きました。大聖堂に鳴り渡るオルガンは、神の降臨を願い、祝福する音かと聴き入っておりました。至福の一日です。至福に至る理由は 、も一つあるけれど、それは、此処には書かな~い。

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