和尚のつぶやき

ブルゴス前夜

2014-09-08 20.21.03サン、ジュアン デオルテガ(San Juan de Ortega)

ブルゴス到着前日、26キロ地点、San Juan de Ortega 教会は教会があるだけの本当に淋しい所だった様だ。今は、救護院(アルベルゲ)横に(バル)が出来てあっけらかんとした明るい場所である。かってはここに来る峠は、強盗、盗賊の潜む難所中の難所であったらしい。今は山中に駄々広い砂利道が無残に保安林を凪ぎたをして、つまらない道となった。その代わり安全は確保出来たことになる。難しい選択。巡礼最後の教会となったオルテガ教会は 簡素な造りながら、穏やかな安心を与える、巡礼路中の教会のなかでも気に入った教会であった。その上、常に扉が開いていて自由に祈ることができる。頑張ってたどり着いた教会が殆どが閉まっているのは悲しいことである。辛く長い神のみちを訪ねて歩いているカトリック信者にとってこんな悲しいことがあっていいのだろうか?と仏教徒のおじさんは呟いてみる。振り向けば、日本 も同じ様な事情やもしれない。たどり着くや、早速、献笛。一休みして再度、教会とサン、オルテガとそしてキリストさんに感謝を込めて一曲。寝る前に又々お御堂へ。この教会の神父であろう、一人静かに祈っている。ちょっと窮屈だが座禅の形をとって静かに時を止める。グレゴリオ聖歌は仕切りにハレルヤを詩っている。ふと斜め前の神父を見ると、泣いている。なんだったのか?

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