旅の終わり。良い響きですね。
旅の終盤は今ひとつ体の調子も宜しくも無くて、部屋でゴロゴロの日が続いたのですが、これではいかんとサンタ、ルチアーノにやって参りました。改札口を出たらなんと目の前がこれです。運河です。ベネチア湾の水深くない浅瀬に造った都市で、お城も教会も街も、全てが海の上に浮かんでいるという、こんなのをファンタジックと言うのでしょうか?私の様な語彙力不足の人間には、漫画みたいと言う他なく、堀田善衛や沢木耕太郎、藤原新也あたりならなんと描写するでしょうかね。風邪で寝込んでいた重い体を無理やり移動させるような鷹揚な動きを継続させながらおとぎの町ベネチアを彷徨う。不思議な街としか言いようのない街角、飽きれば水上バスにに乗って走り回る。船酔いも重なって、調子は益々いけない。水上バスの客の降りるの勢いに任せて降りた所はサンタ ルチアーノ広場。イタリアのあちらこちらを訪ねるチャンスを逃したので一概には言えないが、同じカトリック教会であっても随分と派手はでしいと感じるのはやっぱしイタリアの国民性か?。沈みゆく夕陽を眺めながらたたずんでいたら、なんと、サンタ,ルチアーノ広場の彼方此方からどんどん水が浸水し始めました広場の周りはレストランが取り巻いています。広場ににも野外レストランが立ち並んでいます。野外のレストランは忽ち水浸しです。私は疲れ切った体ではありましたが、大いにびっくりしたものでした。町が沈んでいくような錯覚でした。不思議なもの見るようにじっとたたずんでおりました。町の人々も、観光客もさほどの驚きはないようです。周知の事実のようです。昨今の地球温暖化の明らかな影響かと思われてなりません。私が生きているうちにもベネチアはおおさわぎの憂き目を見るやもしれません。単なる予感ではなくそのように向かっているようです。
ベネチアは島が小さく車道が有りません。二人並んで歩けない、そんな道は珍しくもありません。そこで運河の出番です。移動手段の全てを運河が担っています。不思議なまちに出会いました。