和尚のつぶやき

巡礼  出発します

5月30日

あっという間に、出発の日はやって来ました。颯爽と出かける環境ではありませんが、とにかく出かけます。今出来る全てがどの程度のものかもさっぱり計り知ることは出来ません。今までにない漠然とした不安を拭い去ることが出来ないのです。それでも行って来ます。以前の巡礼の時、丁度私の今の年齢かと思われる老夫婦の巡礼者のことを思い出しています。この夫婦とは毎朝出発して二時間くらいの所で出会って、追い越します。「ボエンカミノ」と言い合って、「with smailing」のうちに別れます。確か追い抜いたはずのこの老夫婦と次の日また出発二時間後に出会いました。時間が逆転したか?と思ったもんでした。私たちは大体七時前の出発ですから、彼等は六時頃の出発かと思います。私たちも70歳を過ぎた年齢でした。元気でした。いくらでの歩ける様な気もしました。何回か出会って、追い抜いたのちに、彼らが、歩行限界地点で、タクシーかなんかで宿泊地まで行って翌日また歩行限界地点でタクシーのお世話になるという巡礼スタイルの様でした。何回目かの出会い、そして、追い越しの時は、照れ隠しの様で、ちょっと寂しげな笑顔☺️の記憶がよぎります。今、私の漠然とした不安は、この老夫婦との共有する侘しさかも知れません。それは兎も角、篠笛持って村の教会で心豊かな音色楽しめることを念頭に専一に歩いて来ます。

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