今日は久しぶりの山登りです。と言いましても、さしたる登りはなく、だらだら坂をいく。
レオンを出てから、国道沿いのベタ道ばかりに一寸飽き気味だったので気分転換にもなって良かった。
夜明け前ぎりぎりの旅立ち。昨日は終日風強しでいい予感では無かったが、当り。雨こそ降らなかったが、曇り空のうえに風がやたらと寒いのである。高度は千メートルぐらいだから当然の寒さである。もう6月も半ばだからと勝手に錯覚してしまって、この国の気候変化に未だ慣れきらないでいる。昼になろうとしているのに、未だ手が寒さで痺れている。飛び込んだBARで早速ホットウイスキーを注文。これがどこのBARでも通じない。ホットウイスキーぐらい分かりそうなもんだが、頑として通じない。先ず、ウイスキーのビンを指差しながら、ウィスキー!ウイスキー‼️と叫ぶように注文する。それでキョトンとしているので、また、アグア、カリエンテ(湯)と 又叫ぶ。湯とウィスキーの関係がのみ込めないらしい。湯割りウィスキーなる飲み方はこの国には無いのかもしれない。やっとウィスキーと湯が手元にくる訳であるが、湯がエキプレッソ用の小さなコーヒーカップである。マス アグアカリエンテ(もっと湯ちょうだい)と今度は訴えるようにお願いする。そして、バソ(グラス)を泣くように頼む。カウンターで湯にウィスキーを注いで、これだ!と示すが殆ど無関心である。ウィスキーの効果はめざましく、忽ち手に熱き血がドックドックと流れて10本の指は動きだす。穂高のドームで吹雪にあって、必死の思いでテントを張って、 潜り込むと同時にだるまウイスキーを回し飲みしたら、一回りしただけで、四人で一本空いたのを思い出す。
こういう寒い日も有ろうかとレオンに入る数日前に重いウイスキーを担いで持っていたのだが、重いので断腸の思いで処分した。誠に残念である。でももう買わない。
膝が笑いそうになるような長い悪路をくだりきると、そこは、MORINASEKA。
街の掛かりの教会に飛び込む。息を整える暇もなく献笛、吹き終わって戻ろうとしたら、小さな教会はピルグリム(巡礼者)が静かに座って聴いていてくれました。