此処数日、日本人の三人グループの噂を聞く。60代前半の元気グループのようだ。 巡礼中に出会った 何人かの 日本人が話してくれた事である。他人の1日歩行距離を訪ねて、自分たちのそれと比べて 、距離が短いと、自慢げに、自分たちの歩行距離をいかにも誇るような口ぶりであったと。四国遍路にも行ったのであろうか、サンチャゴ巡礼と比べて、サンチャゴ の道の方がずーと楽だ、ハイキングみたいなもんだと、遠足気分である。随分元気そうな三人でしたと、何回か聞き及んだ。
一日、3~40キ平気で歩いている若い、巡礼者だって幾人もいる。その時はなんと言うのだろう ?
瞬間的に、いい気分の話では 無かった。巡礼とハイキングは一緒なのか?
足を使って、体力を消耗して、自然を楽しんで、と、共有 する部分は確かにあるのではあるが、ハイキング は、そこまでで打ち止めとなる。
巡礼は、それからの話しとなる。それからの話し部分の探求と不思議の探求が三人組にはまるで感じない。四六時中だらだらと世間話で時間を使い、沈黙 の内に只管歩くなどという 巡礼の真実など初めから持ち合わせていなとしか言いようの無い人達となのかと、悲しく想像するのである。
巡礼者は、歩くという、行為によって、己を 虚しくして、精神を空くする行為に他ならない。此処の基本を理解せず、若者なら兎も角、いい歳のおっさんが、そんな言動では困るのである。