和尚のつぶやき

猫の耳に念仏。

昔の名前で出ています。

 

運転中、ラジオから流れてきた。

「あなたが今までで覚えていても何も役にならないことって在りますか? 今日の特集はこれです」と。

こんな例がありますと2.3の例を話しだした。最初に使った番号制の施錠番号とか、修学旅行で泊まった部屋の名前とかの例を列挙したの後、私にもそんな記憶があります、と女性アナウンサーが放ったことばに驚いた。

「般若心経」を覚えていますと。そして、マカハンニャハラミッタシンギョウカンジザイボサツギョウジンハンニャ・・・・・・・・とやりだしました。

ほどなく目的地に着いたので、その後の話は聞いていない。

目的地での写経が済んで、坐禅中、ふっと思い出した。若い女性アナウンサーがすらすらと「般若心経」を諳んじるのを感心していたのだけれど、それって、覚えていても役に立たないのか?と吃驚のし直し。

そんなに昔でもないけれど、女優の宮沢りえさんが、役作りの為に覚えた「般若心経」は、今も唱えていますという話をどこかで聞いたことがあって、心温まる嬉しい思いをしたのを思い出し、彼女が今も「心経」を唱えているかどうかは別としても、少なくとも宮沢りえにとって、「般若心経」は覚えていて、役に立ったというよりも、心の支えになったに違いないと思いたい。

件の女性アナウンサーは何時、どんな状況で覚えたのか、非常に聞きたい欲望にかられたけれど今となっては、時遅し。

写経と坐禅が済んで、一同の方々に、皆さんにとって、「般若心経」は如何なる「位置」に在るのでしょうか?と、とどめるにいたるばかりでした。

 

 

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