やったぜ、ベイビー 3年後しの夢 遂にやりました。歓喜の門での独演。篠笛の音、サンチャゴの空に響く。 今回も密かに狙っていた歓喜の門も殆どの時間はセミプロのバグパイプやオペラ歌手等に占領されて、吹く間隙がない。その上、前述の様に奴らはプロである。気力が萎えてしまうのである。練り練った作戦は、矢張り、朝であった。人は少ない。空気が乱れないから、きっと、音もよかろう。パラドールで豪華な朝食をして、作戦は開始されたのだ。折しも昨日の汚れは、すっかり洗われて重厚な石畳は、薄っすらと濡れている。頃よし。さっと抜き払われた無一の笛はヒューひゅるると鳴り出した。音良し。取り舵いっぱあい。斜め後ろ方向になにやら人の影、動かない。一気に二曲吹きまくる。ご婦人がゆっくりと近づいて来て、感動の情と感謝の気持ちを伝えたのだ。 I was so impressed .感謝の気持ちははこっちの方が言いたいぐらいである。 ご婦人は、スイッツランドのイリーズと名乗られた。 まだあるよ。イリーズと話していたら、ぺリグリム(巡礼者)の男性がなんとお金を手に持って、何処に入れたらいいかと、目で合図する。ノーノーと言って辞退したのだが、貰っとけば、このコインは、私の宝になったかも知れぬ。僅か五分の瞬間芸。