和尚のつぶやき

浜辺の迷想。

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この浜辺は、スペイン最西端、Fintieraの最東端、Praia Mar de Foraと言う所です。
誠に静かな浜辺で、少年の頃、まだ綺麗だった神戸の須磨海岸を思い出しました。
此処に座ってくださいというような頃合いの場所があって、やおらと座ったものです。
寄せては返す波の音は、遥か悠久の世界に引きずり込むような深き響きです。洋上を駆け下って、負けまい負けるものかと滑り走る白き波群は同じに見えて、実は、どれ一つ同じものでないことを、 どうだ、どうだと叩き込むように迫ってきます。
まさに、天然の響きそのものです。妙なる響きの中で暫しの静寂に時間を愉しむ喜びは、まさに妙がたき喜びであったのです。

岩陰からひょいと出てきた叔父さんは、日本人かと間違うような合掌をして去って行きました。暫くして、すっぽんぽんの爺さんが前を通りました。いい気分に入りかけた頃、トップレスの姐さんが、やたらとウロつきました。そんなこんなを混ぜ合わしても良き時間でした。

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